2010年4月4日日曜日

ダイヤモンド コーティング

昨日、Wiiのリモコンが壊れましたので、デパートに買いに行った
ところ、日本語が書いてあるのはコピーで、韓国語が書いてあるのは
本物と言われました。価格差が800BAHTあった。
Wiiは、家での運動用に使っていますが、汗をかくと、ちょっと不安です。
今回の故障も、小生の汗に地球上にはない物質が含まれていた
ため、流石の任天堂も、トラブルシュートしていなかったようです。
クレイムを諦めて、新品を買いました。

ダイヤモンドの真偽の判定は、黒い油性のマジックで行う。これは
ダイヤモンドが高い親油性を持つからで、本物は油がしみこむからで
ある。長い年月を経たダイヤモンドは、その歴史の中でこれに触れた
人物の、手のひらの、指の、あるいは貴婦人の胸元の油脂が染み
込んでいるのではないだろうか?そうであれば、その油脂は高貴な
DNAを含んでいないかしら?ただ、専用薬品で洗浄できるので
もう残っていないかも知れない。

ダイヤモンドのことを長々と書いている理由は、DLCの説明にたどり
つくためですが、DLCとダイヤモンド膜は違います。

ダイヤモンド膜とは、1000℃以上のCVD装置の中で生成される
膜で、硬度は当然ダイヤモンドに相当する8000-10000HVを
得ますが、面粗さが粗い。DLCは主に低温スパッタリングや低温
CVDで生成され、硬度も4000以上とダイヤモンド膜には適わない
代わりに、面粗さがナノ単位で平滑である。この平滑性がDLCの
用途を広げているわけです。つまり、ものの表面の粗さというのは
顕微鏡でみると、一見つるっとしているあなたのお肌も、火星の
クレーターみたいになっていて見なければよかった、と後悔する
もんですが、このデコボコの高さ幅がナノ単位であるということです。
ミクロン単位とは、0.001mmです。ナノ単位とは0.000000001mmで
す。あなたの肌はよくて1mmじゃあないですか?ちなみに
私のおでこはミクロン単位の面粗さと光沢を有しております。

ダイヤモンド膜というのは、真空炉中にメタンと水素を流して、
800℃以上で加熱するCVD法(化学蒸着法)が主に使われます。
私は、チタン炭化物を金型の表面に科学的に蒸着させる
工場におりましたが、(といやあカッコいいが)半導体の分野でも、
切削工具の分野でもCVD法はよく使われる方法です。
ここで解離という言葉が登場する。ウィキで見ても、難しい
ことしか書いていないので、理解をあきらめますが、
反応ガスの分子を解離させることによってダイヤモンドの
皮膜を生成するわけです。メタンはCH4 で水素はH2で
ダイヤはCですから、このCをここから取り出すわけです。
アセチリンを使う場合もあります。C2H2。

CVDでもタングステンのフィラメントを2000℃に加熱する
ことでガス中の解離を発生させ1時間1ミクロンのダイヤ膜を
生成する 熱フィラメントCVDと、上記のようなガスと温度、
真空中でマイクロ波によって解離させるマイクロ波プラズマ
CVDの方法がある。どちらもヒーターの上に基盤をおき
その上にダイヤモンドの膜を生成する。

ただ、いずれも炭化水素系のガスを使用すること(環境
の敵)、高温であること、面が粗く、硬すぎて処理後の
加工が難しいことから工業的な実用という意味では
超硬切削工具への採用が主である。ダイヤは炭素で
あるから、鉄基盤では浸炭してしまい、膜が形成されない。

ところでもうここで気がつくのは、つまりダイヤモンド膜の
生成方法すなわち、人口ダイヤモンドの製造方法なのです。
 1955年にGEが人口ダイヤを開発して以来、様々な方法で
人間はダイヤを作ることができるようになっています。
上記のような成膜方法を改善し、150ミクロン・HOURという速度
での成膜も可能になっていますし、話題のカーボンナノチューブ
も上記のような方法で、生成されるのです。
このような方法が更に進歩すると、チタンコーティングなんか
すべてダイヤモンドコーティングに置き換わるかもしれません。

さあ、みんなも今度のソンクランの休みはメタンと水素を購入して、
自家製ダイヤモンド作りにチャレンジしましょう。簡単ですよ。
うそうそ・・・よい子は真似しないでね!

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