2011年12月12日月曜日

タナシティ② 副題 オリンパスどうしちゃったんだ?

会社というものは不思議なもので、側近とか、腹心とかいう人たちは、社長の近くにいて神経すり減らし、宮仕えの苦労を味わっているが、ちょっとそこから離れ、地方の営業所の所長とか、海外法人の社長とか、そういう人は、言ってしまえば、そこの王様、定期的に本社である会議さえこなし、数字さえ出していれば、トップは信用するもんである。トップの知らないことなどに詳しい、たとえばある技術に詳しかったりすれば、これは、もうその立場磐石という他ない。

株式を公開している会社であれば、それでもそんなに自由は効かないだろうが、非上場の会社であれば会社の内情の評価はすべて、社長なりその一族がするのであるから、おのずとそれは、偏った見方になるのもこれはこれで仕方のないことである。まあ銀行に借金があれば別だが・・・

当然、非上場を保てる会社、オーナー会社の場合、すべての利益は一族に帰属するような仕組みになるであろうから、そうでない人間は、’けっ いくら頑張っても、俺様の行き着くところは決まっていらあ’などと、会社の金で得意先の接待と称しカレーうどんでヤケ酒を食らうぐらいのささやかな復讐しか思いつかないが、お上から遠ければ、遠いほど、琵琶湖から、富士山のあたりまで来れば、もはや分かるわけはないと、親族に会社を作らせ、そこに利益をのせながら、あたかも知らない出入りの業者とばかりに仕事を出し、堂々と私腹を肥やすようなやり手も現れるのも仕方のないことなら、知ってか知らぬか、何のお咎めもなく、ただ年齢が近いからと信頼し、下からの声など無視する様、これもまた会社の仕方のない未来への布石と見て、仕方がなかろう。

まして海外、飛行機で6時間もかかるところでは、これは最早20年以上もそこの長などさせていては、逆に会社を乗っ取らなかっただけ、有難い有難いと少しのことに目をつむるのも仕方がないことかと思うのである。

いわく、会社に命をささげて働くということは、やはり最終的に自分のために、会社を騙し騙し働かないと、最後に、馬鹿を見るのは、正直者となるが、何より、盲目の寵愛を受けているものの悪行を、会社の中で何を言っても、無駄、無理、むらが出るのは、これも仕方がない。

簡単に言えば、部下は直属の上司のことを、その上司の上の上司よりもよく知っているということである。それはそうであろう。多かれ少なかれ、人は目上の人の前で、猫を被る。その猫の傘の下は、上の人間から見える筈がない。しかし、部下の実力を知っているのも直属の上司である。従って、この2者は、高度な取引関係の中の暗黙の了解で、微妙なバランスの中で、いつ果てることもない、{会社のために}というゲームを続けられるところまで、続けていく。

しかし、その駆け引きに気づかない人は、いつか会社が直属の上司なのか、直属の上司が会社なのかが分からなくなり、下手をすれば、それがために、不思議な最期を遂げたりしてしまうこともある。まずは合掌。