2010年2月21日日曜日

デブという人生3

こうしてデブを長年してきますと、やはり洋服にはいつも困ります。
デブといっても、何か運動をしてきたという訳でもないので、
そういう雰囲気すらありませんので、根拠のないデブとして生活
していかなくてはなりません。

デブで良かったなんて思ったことはありません。
1.引き出しを開けるのに、椅子を目一杯引かなくてはならない。
2.寮のおばさんに(どこの寮でも)、おかわりして嫌味を言われる。
3.洋服を買うときが、苦痛。どんなに良くフィットする服を買っても、
夕方までにくたびれるのが早い。まして同じ服で翌日まで過ごす
なんてとんでもない話。そもそも、贅肉にあわせて、服は設計
されていない。
4.戦争にいけば、的としては撃ち易い。
5.定員ギリギリのエレベーターに飛び乗るときの定番シーン。
6.ごっこ遊びは必ずキレンジャーの役。(しかし実際のキレンジャー
は大して太っていない。)
7.ベルトがしょっちゅう切れる。
8.女性には、きっとこの人はもてないだろう。誠実な人に違いない
等と、誤解される。実際もてないが・・
9.居酒屋で、(お前が頼むとワリカン負けする)といって、メニュー
を持たせてくれない。
など等

しかし、太っていていいこともあるのかも知れませんが、それが
なかなかわかりにくいのがデブの人生と言えましょう。
デブで良かったなあ・・なんて、時々じわりと懐疑的に感じる程度
です。

痩せる努力をいくらしても、胃の中のリミッターが食道の近くに
あるために、ある程度食べないと満腹感を感じません。実際の
胃のキャパはあまり変わらない筈なのに、リミッターの取り付け
位置を間違っているので、かなり後から、(しまった食べ過ぎた)
等と思うわけです。

いつも思うのですが、一人でいる時は、よく食べます。
お客さんや、ある程度の距離を保っている人だとあまり食べません。
そういう、一緒に食事をする相手との関係の中でも、食事量は
変わってきます。自分の場合、子供の頃に、ご飯を残さず食べたり、
おかわりすると、偉いほめられました。親は褒める科目を間違い
ました。よっちゃん今日は沢山残したわねえ・・・
と褒めるべきでしたね。もう遅いですが。

タイには、自分がいた会社を辞めた先輩が何人かいて、今も非常に
お世話になっておりますが、どちらも会社の社長をされており、
どちらかというとデブですが(ヒャー殺される)、何せ、お二人とも
スポーツで鍛えたデブですので、内容が違います。

先輩は、昔一緒に働いている時に、よく工場にきて、診断君を
みつけると、(おいデブ!)と大声で呼びつけました。しかし、
不思議なのは、日本語が分からない太った配送の運転手が
私より早く振り向いていたことです。タイではウワンといいますが、
ウワンだとなんか丸め込まれるみたいで、デブの苦悩が伝わって
きませんよね。その点、デブとか肥満児とか、濁点で心がかき回
されるようです。件の運転手は、そういう国境を越えた文化の
相違と本能的なデブという響きが自分の腹に適用されている
というセンスを感じ取って、その時振り向いたのかもしれません。

終わり

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